看護師がキャリアを磨く方法は、2種類あると言われています。1つは、同一の職場で実績を積み重ねて、看護主任から看護師長を経て看護部長に至る昇進コースを辿ることです。看護主任は現場のナースのまとめ役で、通常の看護業務をこなしながら看護師長と協力して医療現場の環境改善に力を注ぎます。現場の実務経験を15年ほど積めば、看護師長への道が開けます。現場においてその他看護師の指導監督を行い、現場の環境改善に要する事項を看護部長に報告し現場と経営者との橋渡しの仕事をするのが看護師長です。看護部長は25年ほどの実務経験が必要で、経営者の1人になって、経営に参画しながら医療機関の健全な運営を図れるよう尽力します。個々の医療機関によって昇進に必要な経験年数は異なるため、小規模の診療所では、短期間で昇進できるケースもあります。
もう1つのキャリアアップの方法は、どこの職場でも通用するスキルを身につける資格を取得することです。看護師には、認定看護師や専門看護師など様々な上級資格があり、看護師は研修を受けて試験に合格すれば資格を取得してキャリアを磨くことが可能になります。認定看護師は、一定期間の看護経験があれば受講できますが、専門看護師は看護系の大学院の卒業単位の修得が必要なので、やや取得が難しいと言えるでしょう。そのほかにも、特定行為研修を受ければ、看護師は医師からの包括的指示だけで医療行為を行うことができるようになります。こうした資格を取得すると、医療現場で他のナースを指導する立場に立てるほか、転職の際に有利となり仕事の幅が広がるでしょう。